信濃公害研究所(長野県)は、飲料水や工場排水から環境水まで、幅広く調査や分析を行うことを通じて、人々の健康の保護と生活環境の保全に貢献しています。
一口に「水質検査」といっても、対象となる「水」によって、関係する法律がそれぞれ異なっています。例えば、各法律の検査項目や基準値は、水質汚濁に係る環境基準、地下水の汚濁に係る環境基準、土壌汚染対策法の地下水基準、水質汚濁防止法による排水規制や各県、各自治体ごとの上乗せ基準、各下水処理センターごとに異なる下水排除基準、浄化槽からの放流水に係る水質基準など、どの項目を検査して、どの基準値以内に処理をすべきか調べることは容易ではありません。
信濃公害研究所では、それぞれの「水」に適した水質検査や評価のほか、より効率的な、より経済的な排水処理を目指して、排水の発生源となる原水や製品の製造時に使用される処理剤などの分析も行っています。ぜひお気軽にご相談頂ければと思います。
※ この他の水質検査、並びに料金や納期についてもお気軽にご相談下さい。
●飲料水検査
一般飲料水、特定建築物の飲料水(ビル管飲料水)、食品衛生に使用する水の検査の水 質検査を行います。施設や業種ごとに検査項目や検査頻度が異なっているので注意が必要です。
なお、長野市で地下水を揚水設備により採取する場合(生活を営むために利用する場合を除く)は、当該揚水設備ごとに、下水を採取しようとする日の15日前までに届け出が必要となり、揚水量を記録して年1回長野市長に報告しなければなりません。これらの変更(廃止)や継承時にもそれぞれ届け出が必要となります(長野市公害防止条例
第33条から38条、施行令第20条から23条)。詳細は信濃公害研究所へお問合せ下さい。
2014年2月28日付の官報にて、水道法・水道法施行令・建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行令、水質基準に関する省令等の一部が改正されました。
改正により新たに追加されたのは、亜硝酸態窒素(水質基準0.04mg/l)です。
水道法・建築物衛生法(ビル管法)の変更点を以下に記します。
水道法の変更点 |
● 給水栓以外での採取可能な項目に亜硝酸態窒素が追加(第15条第1項第2号)
●15条第1項第3号イ(省略不可能項目)については変更無し
(一般細菌・大腸菌・塩化物イオン・TOC・pH値・味・臭気・色度・濁度)
●亜硝酸態窒素の検査回数は概ね3月に1回以上、過去3年間における検査結果が基準の5分の1以下である時は概ね1年に1回以上、基準値の10分の1以下であるときは概ね3年に1回以上とすることができる。(第15条第1号第3号ハ) |
建築物衛生法
(ビル管法)の変更点 |
●6月以内ごとに1回行う水質検査に亜硝酸態窒素が追加(第4条第1項第3号イ) |
表1 法令ごとの検査項目と検査頻度
関連法令 |
検査項目 |
検査頻度 |
建築物の衛生的環境の確保に関する法律
(建築物衛生法・ビル管法) |
16項目 |
半年に1回 |
省略項目 |
16項目で問題なければ半年後に実施 |
消毒副生成物 (12項目) |
6月1日から9月30日 |
食品衛生法
(食品製造・加工業) |
A項目 (9項目) |
6ヶ月以内ごとに1回検査を実施 |
5年以内ごとに1回全項目検査を実施 |
B項目 (7項目) |
1年以内ごとに1回検査を実施 |
5年以内ごとに1回全項目検査を実施 |
C項目 (4項目) |
1年以内ごとに1回検査を実施 |
5年以内ごとに1回全項目検査を実施 |
学校環境衛生基準 |
一般細菌・大腸菌・塩化物イオン・
TOC・pH値・味・臭気・色度・濁度 |
年1回 |
雑用水(5項目) |
年2回 |
<一般飲料水検査>
一般飲料水に使用する水質検査を行います。水源(井戸水や地下水 or 水道水)や有効水量などにより、専用水道、簡易専用水道、小規模給水施設、飲用井戸などに分けられ、それぞれ項目や検査頻度が異なります。詳細はお問合せ下さい。
<ビル管法の飲料水検査>
特定建築部の飲料水(ビル管法の飲料水)に使用する水質検査を行います。水源(井戸水や地下水 or 水道水)により項目や検査頻度が異なります。詳細はお問合せ下さい。
<食品衛生法の飲料水検査>
食品衛生に使用する水質検査を行います。
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A項目 |
B項目 |
C項目 |
検査頻度 |
6月以内/1回
5年以内/1回全項目 |
1年以内/1回
5年以内/1回全項目 |
1年以内/1回
5年以内/1回全項目 |
業種 |
あん類製造業
アイスクリーム類製造業
(氷菓を製造するものに限る)
乳処理業 (水を主原料とする
加工乳を製造するものに限る)
乳製品製造業
(水を主原料とする乳飲料を
製造するものに限る)
清涼飲料水製造業
乳酸菌飲料製造業
氷雪製造業
醤油製造業
酒類製造業
かん詰・びん詰製造業
豆腐製造業 |
飲食店営業
喫茶店営業
アイスクリーム類製造業
(A欄に該当するものを除く)
乳処理業
(A欄に該当するものを除く)
特別牛乳製造業
(A欄に該当するものを除く)
食肉製品製造業
魚肉ねり製品製造業
魚介類販売業
魚介類せり売営業
豆腐製造業
(A欄に該当するものを除く)
納豆製造業
めん類製造業
みそ製造業
ソース類正常業
そうざい製造業
つけ物製造業
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乳類販売業
食肉販売業
食肉処理業
集乳行
魚介類販売業
(B欄に該当するものを除く)
食品の放射線照射業
氷雪販売業
添加物製造業
マーガリン又はショートニング
製造業
水産加工食品販売業 |
必須
検査
項目 |
外観
亜硝酸性窒素及び
硝酸性窒素
塩素イオン
有機物等(KMnO4消費量)
鉄
陰イオン界面活性剤
pH値
一般細菌
大腸菌群 |
外観
亜硝酸性窒素及び
硝酸性窒素
塩素イオン
有機物等(KMnO4消費量)
pH値
一般細菌
大腸菌群 |
外観
pH値
一般細菌
大腸菌群 |
選択
検査
項目 |
・水源付近の環境汚染及び土壌の特質から判断して、
全26項目のうちから必要と認められた検査項目を選択すること
・トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン及び1,1,1-トリクロロエタンによる
汚染がある場合は、必ずこの項目を選択すること |
その他 |
新規営業開始時にあっては全26項目を検査すること |
<学校環境衛生基準に基づく水質検査>
学校環境衛生基準に基づいた水質検査を行います。「学校」の遊泳用プールにも検査項目(8項目)と基準が定められています。ただし、「学校」以外の関連施設、例えば学校寮や研修・宿泊施設などは「ビル管法(建築物衛生法)」が適用されます。
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冷水機の水質検査
(半年に1回) |
ビル管検査の様子 |
ビル管検査の様子 |
施設地下水の水質検査 |
●温泉やプールの水質検査
ホテルや旅館などの浴場や公衆浴場、遊泳用プールや学校のプールなどの水質検査を行います。
<温泉や公衆浴場の水質検査>
○浴槽水の水質検査
濁度、過マンガン酸カリウム消費量、大腸菌群数、レジオネラ菌の4項目を検査します。
○原水や上がり湯の水質検査
色度、濁度、pH、過マンガン酸カリウム消費量、大腸菌群、レジオネラ菌の6項目を検査します。
○レジオネラ菌類の細菌検査
施設によって年に1から4回の検査が必要です。
レジオネラ菌検査の検査回数の検索
○温泉のメタンガス濃度測定も検査しています。
当社では温泉成分を測定できる「温泉法の登録分析機関(長野県知事登録 長野県 第10号)」と「計量証明事業者(濃度:長野県計量検定所長 第 環境10号)」に登録されていますので安心してメタンガス濃度を測定できます。面倒な申請書類の作成もお手伝いしています。
<プールの水質検査>
○プール水の水質検査
100m3以上の遊泳用プールでは水質検査(7項目)が必要です。ただし、これ未満の場合も自主検査として同様の水質検査を行っている場合がほとんどです。なお、「学校」の遊泳用プールには学校環境衛生基準が適用されます。
遊泳用プールの水質基準について

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温泉の採水
(女性スタッフもご用意) |
温泉の採水 |
源泉のメタン濃度測定 |
プールの水質検査 |
●工場排水検査
信濃公害研究所(長野県)は、水質汚濁防止法による排水基準や長野県上乗せ排水基準、下水排除基準、浄化槽からの放流水に係る水質基準など、それぞれに適した検査をご提案しています。排水の水質検査の他にも、処理前の原水や工程水を分析することにより、より効率的で経済的な排水を処理するお手伝いもしています。排水処理工程を再検討して経費を抑えたい・・・など、排水についてのご相談はお気軽に信濃公害研究所にご相談下さいませ。
また、長野市で地下水を揚水設備により採取する場合(生活を営むために利用する場合を 除く)は、当該揚水設備ごとに、下水を採取しようとする日の15日前までに届け出が必要となり、揚水量を記録して年1回長野市長に報告しなければなりませ
ん。これらの変更(廃止)や継承時にもそれぞれ届け出が必要となります(長野市公害防止条例 第33条から38条、施行令第20条から23条)。詳細は信濃公害研究所へお問合せ下さい。
水質汚濁防止法の一部を改正する法律が平成24年6月1日より施行され、有害物質による地下水の汚染を未然に防止するため、有害物質を使用・貯蔵等する施設の設置者に対し、地下浸透防止のための構造・設備及び使用の方法に関する基準の遵守、定期点検及び結果の記録・保存を義務付ける規定等が新たに設けられました。
時期を同じくして、水質汚濁防止法施行令の一部を改正する政令・水質汚濁防止法施行規則の一部を改正する省令・排水基準を定める省令の一部を改正する省令・下水道法施行令の一部を改正する政令が出されています。
これらは平成24年5月23日に公布され、平成24年5月25日に施行されています。
水質汚濁防止法施行令の一部を改正する政令の概要は
(1)有害物質の追加
工場または事業場から公共用水域に排出される水の排水、地下浸透水の浸透等の規制対象となる、人の健康に係る被害を生ずるおそれがある物質として、トランス-1,2-ジクロロエチレン、塩化ビニルモノマー及び1,4-ジオキサンを追加。
(2)指定物質の追加
工場または事業場における事故により、公共用水域に排出され、又は地下に浸透したことにより人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある物質であって、引き続く排出又は浸透の防止のための応急の措置を講ずるものとして、クロム及びその化合物(六価クロム化合物を除く)、マンガン及びその化合物、鉄及びその化合物、銅及びその化合物、亜鉛及びその化合物並びにフェノール類及びその塩類を追加。
(3)特定施設の追加
有害物質を排出する施設として、以下の施設を追加。
界面活性剤製造業の用に供する反応施設
エチレンオキサイド又は1,4-ジオキサンの混合施設
水質汚濁防止法施行規則の一部改正の概要は
地下水の浄化基準に
塩化ビニルモノマー(0.002mg/l)
1,4-ジオキサン(0.05mg/l)を加える。
シス-1,2-ジクロロエチレンを1,2-ジクロロエチレンに修正
基準値もシス-1,2-ジクロロエチレン及びトランス1,2-ジクロロエチレンの合計量0.04mg/lに修正
排水基準を定める省令の一部改正の概要は
排水基準を定める省令の別表第一(有害物質に関する項目)に1,4-ジオキサン(0.5mg/l)を加える
(業種により3年間(または2年間)の経過措置あり)
工場や事業場から排出される排水といっても、業種や排水量、排出先などによって様々な法律や条令が適用されます。以下に、主な放流先と該当する法律などをまとめてみました。
表2 主な排水方法と該当する法定基準
放流先 |
該当する法律 |
概 要 |
河川や湖に放流 |
・「長野県上乗せ条例」の排水基準
・水質汚濁防止法の排水基準
・暫定排水基準 |
特定施設の登録をしている工場や事業場が、公共用水域、すなわち、河川や湖沼(海洋)など、もしくはこれらに接続する水路に放流している場合に適用されます。長野県では、業種や1日の排水量、稼働開始年などにより、長野県上乗せ条例による排出基準が設定されている場合が多く、これに当てはまらない施設には水質汚濁防止法が適用されます。達成が困難ないくつかの業種(15業種)に限り、いくつかの項目については暫定排水基準が設定されている場合があります。
どの項目がどの基準を満足すれば良いかわかりづらいと思いますので、詳細は信濃公害研究所、もしくは市町村にお問合せ下さい。 |
下水道に放流 |
下水排除基準 |
下水に放流している特定施設の排出水に適用されます。現在最も多くの事業場が適用される基準です。主な項目と排除基準は「表4 公共下水道への排出水の水質基準」のとおりですが、排水処理場によって排除基準や項目が異なる時があります。詳しくは信濃公害研究所へお問合せ下さい。 |
処理後に地下に浸透 |
水濁法の地下浸透水の基準 |
水濁法の「特定地下浸透水の浸透の制限」をクリアしている必要があります。かなり厳しい基準値が設定されており、現在ではほとんどみられなくなりました。 |
無処理で河川や湖に放流 |
- |
排水量が10m2以上の場合は、水質汚濁防止法の違反となり罰則規定(表3)が適用されます。適切な排水処理を行い下水道や公共水域に排水しなければなりません。 |
<工場や事業場からの排水検査> 水質汚濁防止法と長野県上乗せ条例
特定施設の登録をしている工場や事業場から公共用水域に排出される水は、長野県上乗せ条例や水質汚濁防止法の排水基準(許容限度)を満足していなければなりません。公共用水域には、河川や湖沼(海洋)などに接続する公共水路、かんがい用水路、その他の水路も含まれます。
長野県上乗せ条例の排水基準が設定されている場合は、水質汚濁防止法の基準よりも優先されます。現在は有害物質として4項目、生活環境項目として9項目が設定されています。
2011年4月1日から水質汚濁防止法が一部改正され、以下の事項が追加されました。測定回数などは最低限の回数で1回/年と設定されていますが、長野県「公害の防止に関する条例」(長野県上乗せ条例)で頻度を上げた回数が設定されると思われます。
<水質汚濁防止法 施行規則> (一部改訂 2011-04-01施行)
1.特定施設が知事に届けた物質(届出物質)は1回/年以上、旅館業は一部の物質を1回/3年以上、その他の物質は必要に応じて(原材料などで含まれる可能性がある物質について)行うことになりました。
2.特定施設の測定回数を都道府県が条例で定めた時(1回/年以上の時)は、当該回数を測定回数とする。
3.特定地下浸透水の届出物質は1回/年以上、その他の物質は必要に応じて行うことになりました。
4.特定地下水の測定回数を都道府県が条例で定めた時(1回/年以上の時)は、当該回数を測定回数とする。
5.サンプリングは排出水、地下浸透水の汚染状態が最も悪いと推定される時期、及び時刻に採取すること。
6.計量法の登録を受けた者から証明を受けた場合には、「水質測定記録表」の記載を省略することができます。
7.測定結果の記録はチャートその他の資料(採水記録表も含む)とともに3年間保存すること。
信濃公害研究所では、どの法律が該当して、どの項目がどの排水基準に適合していなければならないか適切にアドバイスを行い、検査頻度や観測点などを含めた最適な検査計画をご提案して、定期的にサンプリングに訪問して、排水が良好な状態であるか分析・ご報告しています。
○水質汚濁防止法における事故時の処置 (改正 水質汚濁防止法 2010-05-10公布)
改正後の水質汚濁防止法では、事故時の処置について強化されており、「公共用水に多量に排出されることにより、人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある物質を製造等する施設を設置する工場、又は事業場の設置者に対し、事故によりこれらの物質を含む水が排出された場合等における応急の処置及び都道府県知事への届け出を新たに義務づける」とされています。
今回新たに「有害物質を貯蔵、使用する施設」と「指定物質を製造貯蔵、使用、処理」する施設(
次の表の赤色部分)が、事故時の処置対象として追加されました。
(各施設は重複することがあります。中央環境審議会 第27回水環境部会 資料より引用)
○特定施設とは
人の健康を害するおそれのある有害物質と、水質汚濁等による生活環境への被害が生ずるおそれがある物質を排出するおそれがある施設のことで、届け出義務があります。
○罰則規定
水質汚濁防止法では、公共用水域や地下水の水質汚濁を防止するために「行政の権限」として様々な命令を下す権限が認められています。また、長野県では排出される水が基準値を超過していないか、水質汚濁防止のための処理が問題なく行われているかチェックするために立入検査を行い、処理や記録が適正に行われているか報告を求めたり、排出水された水の分析を行っったりしています。
これらの命令に反したり、基準値の超過、緊急時の対応、変更届、廃止届などに不備があると、様々な罰則規定があり、禁固や懲役、罰金などが科せられます。これらは行為者のみでなく法人に対しても罰金が科せられます。
○参考情報
・特定施設の届出について (長野県)
特定施設の変更や新設時には届け出が必要になります。届け出用紙なども入手できます。
・長野県 公害関係基準のしおり
公害に関する法律や長野県の条例の基準値などがわかりやすくまとめられています。最後のページに発行時点での改正点がまとめられています。
<下水の検査> 下水排除基準
特定事業場から公共下水道に排出される排水についても、下水道法により基準が設けられており、排出水が下水排除基準に適合した水質であるかを測定し、結果を記録する義務が課せられています。
信濃公害研究所では、最適な検査計画をご提案し、定期的にサンプリングに訪問して、排水が良好な状態であるか測定・報告しています。排出水の基準値(下水排除基準)は集められる下水処理センターなどの能力により異なります。
公共下水道や、し尿処理施設からの排水、浄化槽からの排水には処理能力により技術基準が定められています。
○検査頻度
安曇野市は「安曇野市公共下水道条例」を設けて下水道の排水検査の検査頻度を定めています。
表6 下水排水の測定頻度 (安曇野市公共下水道条例 施行規則 第14条)
事業場の区分 |
測定回数 |
行政処分を受けた事業場で監視期間中のもの |
下水道法施行規則 第15条第2号の回数 |
50m3/日(平均)以上の特定事業場 |
1回/月以上 |
処理困難物質を排除する特定事業場
処理可能物質を排除する特定事業場 (30から50m3/日) |
3回/年以上 |
処理可能物質を排除する特定事業場 (30m3/日未満) |
2回/年以上 |
その他の事業場 |
1回/年以上 |
<特定地下浸透水> 水質汚濁防止法の特定地下浸透水の浸透の制限
有害物質を含む特定地下浸透水を地下浸透することが禁止されています。排出するには「表7 特定地下浸透水の有害物質検出許容限度」の27項目について、許容限度以内でないと地下浸透はできません。地下水は一旦汚染されると回復させることが非常に困難であるため、かなり厳しい排出基準(許容限度)が設定されています。
<埋立地の排水など> 基準省令
廃棄物処理場の廃棄物の埋立地からの放流水、周縁の地下水や湧水は「一般廃棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分場の最終処分に係わる技術上の基準を定める省令」(=以下、基準省令)によって規制されています。排出水、地下水や湧水、処理後の浸出水、浸透水について、基準に適合した水質であるかを測定し、結果を記録する義務が課せられています。
信濃公害研究所では、最適な検査計画を提案し、定期的にサンプリングに訪問して、地下水や排出水などが良好な状態であるか測定・報告しています。
<参考情報>
・最終処分場の維持管理基準の概要 (環境省)
一般廃棄物の最終処分場、産業廃棄物の最終処分場の維持管理に必要な基準です。
・廃棄物の適正な処理の確保に関する条例(長野県)
長野県での廃棄物処理に関する条例がまとめられています。条例本文は読み込まなければ理解できないので「パンフレット」がおすすめです。例えば、パンフレットを見ると「木くずチップに解体木くずや廃棄物が付着・混入したものを使用する際には、CCA防腐処理(クロム・銅・ヒ素の化合物)されていない、長さ10cm以下の木くずとする。」などがわかりやすく書かれています。
<排水や工程水の自主検査>
排水の発生源となる工程水の状態を把握することも、良好な排水管理に役立ちます。特定事業場は該当しないお客様向けの自主検査等も承っております。事業内容に適した検査の提案をいたします。お気軽にお問い合わせくださいませ。
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工場排水採水の様子 |
排水の水質検査 |
処理原水の調査 |
pH計のメンテナンス |
●公共用水域の水質検査
公共用水域(河川、湖沼、海域)には「人の健康の保護に関する環境基準」と、それぞれの利用目的の適応性(類型)により、「生活環境の保全に関する環境基準」が定められています。それぞれの項目を測定し、水質汚濁の状況や、望ましい状態が維持されているか調査します。
<河川や湖沼などの水質検査>
公共用水域(河川、湖沼、海域)には「人の健康の保護に関する環境基準」と、それぞれの利用目的の適応性(類型)により、「生活環境の保全に関する環境基
準」が定められています。それぞれの項目を測定し、水質汚濁の状況や、望ましい状態が維持されているか調査します。また、水質分析に加えて、底質(土壌分析)を分析調査することで、最近、有害物が流れ込んだか調べることができます。
信濃公害研究所では、これらの通常の化学的な水質検査に加えて、水生生物による生物学的な水質変化のモニタリングも行っています。水中に生活している水生生物相を調べることで、一般の水質検査よりも、より長期的&直接的に、生物に適した水質が維持されたか判定できます。
また、子どもたちや市民を対象とした「環境学習会」や「水辺教室」を開催することで、市民の皆さまの環境意識を高め、地域の水質保全の大切さをアピールできます。
<地下水の水質検査>
「地下水の水質汚濁に係る環境基準」に定められた項目が基準を越えることがないかを測定し、地下水の水質汚濁の状況を把握することが出来ます。また、「土壌汚染対策法」でも地下水が存在する場合は、測定をして汚染の有無を調べます。地下水汚染の原因となる恐れがある地下浸透水の分析も行っております。
なお、長野市で地下水を揚水設備により採取する場合(生活を営むために利用する場合を 除く)は、当該揚水設備ごとに、下水を採取しようとする日の15日前までに届け出が必要となり、揚水量を記録して年1回長野市長に報告しなければなりませ
ん。これらの変更(廃止)や継承時にもそれぞれ届け出が必要となります(長野市公害防止条例 第33条から38条、施行令第20条から23条)。詳細は信濃公害研究所へお問合せ下さい。
<冷却用循環水の適正水質の調査>
地下水などを冷却水として使用する際に、その水質によって「腐食」や「スケール」が発生・生成して配管が急速に傷むことがあります。信濃公害研究所では「ラングリア指数」と「安定度」を計算することで配水・給水系における配管の腐食性やスケールの生成しやすさ調査しています。
また、「冷却水・冷水・温水・補給水の水質基準 (日本冷凍空調工業会)」と比較することで、冷却配管やクーリングタワーにそのまま使用できる水、もしくはすでに使用している際は水質の劣化が起こっていないか、調査することができます。
ゴルフ場で使用される農薬分析
ゴルフ場で使用される農薬については、水質汚濁を未然に防止するため、「ゴルフ場で使用される農薬による水質汚濁の防止に係る暫定指導指針」が設定され、遵守されてきたことと思います。
ただ、平成17年8月に水質汚濁に係る農薬登録保留基準が改正され、非水田使用の既登録農薬を含め水質汚濁に係る農薬登録保留基準値が設定された農薬が増えてきている事等から、指針の一部が改正されました。
指針中の水質汚濁に係る農薬登録保留基準及び分析方法は環境省のホームページから。
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河川の水質検査 |
河川の水質検査 |
河川底質の調査 |
河川の水質検査 |
<参考資料> 基準値などの情報入手先について
各基準値などの情報入手先をご紹介します。環境省や長野県などの該当情報ページのリンク先を別ブラウザで開きます。
・水質汚濁に係る環境基準
2. 生活環境の保全に関する環境基準
河川、湖沼、海域で環境基準が異なります。
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水質汚濁防止法一律排水基準 (環境省HPへリンク)
・下水道排除基準 [長野県の基準]
・特定施設の届出について (長野県)
特定施設の変更や新設時には届け出が必要になります。届け出用紙なども入手できます。
・長野県「公害の防止に関する条例」の届出書
長野県「公害の防止に関する条例」に関する特定施設、ばい煙発生施設、粉じん発生施設、氏名変更届特定施設等廃止届け、継承届、水質測定記録表、ばい煙量記録表が入手できます。
・長野市公害防止条例(長野市HP)
長野市公害防止条例の概要が説明されています。水質以外でも騒音、工事、土壌汚染、拡声器使用で追加や上乗せ基準が設定されています。なお、追加項目は長野市内のみで適用されます。
以下 現在編集中。